4/12「ピアノde シネマ」出演してきました!

こんなに燃えて、擦り切れるまで取り組んだのは久々でした。

サイレント映画ピアニストとして活躍されている、柳下美恵さんにお誘い頂き、アップリンク渋谷『眠るパリ』『月世界旅行』の生演奏上映にゲスト出演してまいりました。

映画のサウンドトラックは憧れ続けつつも、1本まるまるの作曲に取り組んだのは初めて。更に、通常の映画と違い、サイレント映画はセリフや効果音が無い分、常に音楽で演出をし続けるので、ボリュームでいうと2倍~5倍程度多いと思います。

『眠るパリ』は聞き比べ上映という事で、ヨダタケシ版と柳下さん版で上映しました。直前までアプローチを悩み続け、試行錯誤を繰り返し、当日の午前中にやっと作曲を終え、練習をギリギリまでしてアップリンクへ向かいました。

初期のSF、マッドサイエンティストものでありつつ、エッフェル塔とパリの街並みを印象的に描く美しい映像、終始ふざけたコメディタッチ、ロマンスもあり、と盛り沢山な30分。みっちり音を作りこみました。そして、テルミンの演奏と、効果音をどのように活用し、一方で映像を邪魔しない音楽にするか、を追及しました。時間との戦いであり、当日まで不安もありましたがやり切った、という感じでした。

コメディは昔から苦手分野でしたが、一生懸命ふざけた音楽を混ぜ込み、客席から何度も笑いが起こるたびに自分もふきだしてしまい、演奏に影響があったかもしれない・・・(↑これは本当にうれしかった!)

柳下さんのピアノ上映は、感情の揺れや物語の展開やリズムを見事にピアノに同期させた、大変洗練された演出でした。何度みても映画が面白いし、柳下さんのピアノにあわせて観る映画は、過去のローファイなエンタメとは思えない瑞々しさがあります。映画とは不思議なものです。技術とリンクしながら進化していても、視点や芸術性は古くなりません。

『月世界旅行』は、以前から観ていた思い入れのあるSFファンタジー。当初はこちらを聞き比べ上映というお話でしたが、こちらでピアノ演奏とコラボがしたかったので、逆にして頂きました。柳下さんのピアノをベースに、効果音や月世界人の声などをテルミンで載せていきました。1回は落ち着いて鑑賞会、2回目は観客の皆さんも音や声を出したり、テルミンを弾いてもらったり、体験上映をしました。なんと和気あいあいと、楽しい上映だったか。まるでシアター内がツアーチームで、皆さんで月世界旅行に行ったような気分でした。

生活時間を切り崩して臨んだ映画演奏。柳下さんにもお褒めにあずかり、曲作りも演奏活動もずいぶん手ごたえを感じました。こんなに文化的な音楽活動をさせて頂き感謝しつつ、田舎から時間かけてアップリンクに来て、どきどきしながら入場していた過去の自分に自慢したい気分で。つまりはしゃいでいます。これだから音楽活動はやめられない!→一週間燃え尽き症候群でした。

遅ればせながら、皆様ありがとうございました。またときめきのある音楽をお届けしたいと思います。